アカショウマエキスの急性毒性試験
試験⽇時:平成13年11⽉〜12⽉
試験場所:熊本県⽴⼤学、奥⽥先 ⽣に依頼
試験⽅法
1)被検物質
アカショウマエキス(ビーエイチエヌ株式会社品)
2)実験動物
ICR系雄性マウス、5週令のものを1週間予備飼育してから実験に供した。
飼育は温度23±2℃、飼料は⽇本クレアの固形飼料CE-2を使⽤した。飲料 ⽔は⽔道⽔を⾃由に摂取させた。
3)急性毒性試験
マウス10匹を⼀群とした。検体は純⽔に懸濁し、⾦属製胃ゾンテを⽤いて経⼝投与した。投与量は3.25、4.39、5.93、8.00 g/kg体重(体重10 gあたり0.2 ml)となるように検体を調製した。検体投与後1週間、試験動物の症状と体重変化の観察を⾏った。
4)反復投与試験
マウス10匹を⼀群とした。検体は純⽔に懸濁し、⾦属製胃ゾンテを⽤いて経⼝投与した。投与量は1.00、1.50 g/kg体重(0.5 ml/day)となるように検体を調製した。1⽇1回、6⽇間連続投与し、投与期間、試験動物の症状と体重変化の観察を⾏った。6⽇⽬に解剖し、諸臓器の異常の有無を⾁眼で観察し記録した。さらに⾎清中のGOT、GPTを測定した。
結果
1)単回経⼝投与による急性毒性
投与量 | 検体数 | ⼀週間後の死亡例 | 試験前の体重 | ⼀週間後の体重 |
8.00 g/kg | 10 | 1 | 30.8±0.2 | 33.4±1.1 |
5.93 g/kg | 10 | 0 | 31.1±0.4 | 35.1±0.8 |
4.39 g/kg | 10 | 0 | 31.4±0.3 | 35.9±0.5 |
3.25 g/kg | 10 | 0 | 31.5±0.2 | 35.7±0.6 |
急性毒性のLD50は8 g/kg以上である。今回の試験では算出できなかった。この結果、アカショウマエキスは⾷品として安全なエキスと考えられる。
2) 反復経⼝投与(1⽇1回 、6⽇間投与)
投与量 | 検体数 | 死亡例 | 試験前の体重 | 3⽇⽬の体重 | 6⽇⽬の体重 |
純⽔ | 10 | 0 | 35.1±0.8 | 35.0±0.9 | 36.3±0.9 |
1.00 g/kg | 10 | 0 | 35.7±0.6 | 33.5±0.8 | 34.5±0.8 |
1.50 g/kg | 10 | 0 | 35.9±0.6 | 33.6±1.0 | 33.1±1.4 |
投与量 | 肝臓重量(g) | 脂肪組織重量(g) | 腎臓重量(g) | 脾臓重量(g) |
純⽔ | 2.2±0.1 | 0.54±0.04 | 0.69±0.04 | 0.13±0.01 |
1.00 g/kg | 1.9±0.1 | 0.50±0.04 | 0.56±0.03 | 0.09±0.01 |
1.50 g/kg | 1.8±0.2 | 0.42±0.06 | 0.08±0.01 | 0.58±0.05 |
投与量 | GOT (Karmen単位) | GPT (Karmen単位) |
純⽔ | 68.9±6.3 | 30.5±5.7 |
1.00 g/kg | 61.1±3.2 | 30.3±3.2 |
1.50 g/kg | 59.4±10.0 | 31.2±8.3 |
脾臓の臓器重量がアカショウマエキス投与群で若⼲低下していた。しかしながら、その他の臓器において純⽔投与群と差が無かった。死亡例も無く、GOT、GPTについても純⽔投与群と⽐べ差がなかった。したがってアカショウマエキスは⾷品として安全なエキスと考えられる。