アカショウマ

ダイエット素材のアカショウマ

機能:脂肪の吸収を抑える効果

アカショウマの機能

脂肪の吸収を抑える効果

 

1-1.脂質投与後のラット⾎漿中性脂肪に及ぼすアカショウマエキスの影響

腸管からの脂質吸収に及ぼすアカショウマエキスの影響について検討した(図1)

ラットに脂質エマルジョンを経⼝投与した後、経時的に⾎液を採取し、⾎漿中の中性脂肪含量を測定した。
コーンオイル6ml、コール酸80mg、コレステロールオレアート2g、および蒸留⽔6mlを混ぜ、脂質エマルジ ョンを作成した。 アカショウマエキスは蒸留⽔にエキスを溶かし、脂質エマルジョンを作成した。
アカショウマエキスは投与量が1g/kgラット体重となるように調製した。脂質エマルジョンを経⼝投与すると、腸管から脂質が吸収され⾎中に移⾏する。
このため経⼝投与の⼀定時間後から⾎漿中の中性脂肪含量が⼀過性に上昇する。
しかしながら、アカショウマエキスを脂質エマルジョンと同時に投与すると、投 与後に⾒られる⾎漿中の中性脂肪含量の上昇は 認められず、投与前の⽔準を保った。

この結果は、アカショウマエキスに腸管から の脂質吸収を抑制する効果があることを⽰唆した。

1-2.膵リパーゼ活性に及ぼすアカショウマエキスの影響

脂質は腸管でリパーゼによって分解されて体内に吸収される。
次にアカショウマエキスの脂質の吸収抑制作⽤について、その 作⽤機序を検討する⽬的で、膵リパーゼ活性に及ぼす アカショウマエキスの影響を測定した(図2)。
その結果、アカショウマエキスは膵リパー ゼ活性を濃度依存的に抑制し、100μg/ml添加で50%以上の酵素阻害活性を⽰した。

図2:膵リパーゼ活性に及ぼすアカショウマエ キスの影響

 

これらの結果から、アカショウマエキスに膵リパーゼ活性を阻害することによって、⾷事中の脂質の吸収を抑制する効果があることが ⽰唆された。

図3:アカショウマによる脂質吸収抑制のメカニズ ム

 

2.ヒトの脂質吸収に及ぼすアカショウマエキスの影響

アカショウマエキスの脂質吸収抑制効果について、ヒトでの試験を検討した。
試験は健常な男⼥10名(男性5名、⼥性5名)のボランティアにて⾏った。
被験者は試験前夜22時以降絶⾷し、翌朝9時〜10時の間に空腹時の⾎中中性 脂肪及びカイロミクロンを測定した。
測定後、直ちに脂肪⾷を摂取してもらい、その後経時的に採⾎を⾏い⾎中の中性脂肪及びカイロミクロンを測定した 。
1週間期間をおき、同様の脂肪⾷負荷試験を⾏い、脂肪⾷を摂取する前にアカショウマエキス(200mg)を摂取したときと摂取 しなかったときの結果を⽐較した。
脂肪⾷はコーンクリームポタージュスープ 200mlに、バター(⾷塩不使⽤)19g及びラード15gを溶かして調製した。
この脂肪⾷は脂質として39.9gを摂取する計算となる(表1)。
アカショウマエキスは粉末200mgをカプセルに詰めて服⽤した。

栄養成分
(100g中)
コーンクリームポタージュスープ バター ラード
エネルギー 79kcal 748kcal 900kcal
たんぱく質 1.8g 0.5g 0.0g
脂質 4.6g 82.8g 100.0g
炭水化物 7.7g 0.2g 0.0g
ナトリウム 270mg 4~15mg 0mg
本試験での脂質摂取量 200g使用で9.2g 19g使用で15.7g 15g使用で15g

表1:脂肪⾷の栄養成分

脂肪⾷摂取後の⾎中中性脂肪およびカイロミクロンの増加量の平均値をグラフにしたところ、脂肪⾷摂取前にアカショウマエキス200mgを摂取することによって、脂肪⾷摂取後の⾎中中性脂肪およびカイロミクロンの上昇が抑制される傾向が認められた(図3)

図3:脂肪⾷摂取後の⾎中中性脂肪とカイロミクロンの変化

この⾎中中性脂肪の曲線下⾯積を計算したところ、脂肪⾷のみの摂取に対し、脂肪⾷摂取前にアカショウマエキスを摂取することによって、⾷事中の脂質の吸収が抑制されることが⽰唆された。
[参考⽂献] (1)⼭本茂 、森⼝覚:栄養科学シリーズNEXT公衆栄養学,(株)講談社,29-31(2001)